相続税が課税される財産とは?
- 2019.07.30
- 相続税とは
相続税が課税される財産は、原則として、相続や遺贈によって取得した財産です。
このほか
①相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産(③の財産を除きます。)
②相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産
③生前の被相続人から相続時精算課税に係る贈与によって取得した財産(以下「相続時精算課税適用財産」といいます。)
についても、相続税がかかる財産に含まれます。
相続税が課税される財産
相続や遺贈によって取得した財産
相続税の課税対象によって取得した財産は、被相続人が相続開始の時において有した土地、家屋、立木、事業(農業)用資産、有価証券、家庭用財産、貴金属、宝石、書画骨董、電話加入権、預貯金、現金などの金銭に見積もることができるすべての財産をいいます。
そのため日本国内に所在するこれらの財産はもちろん、日本国外に所在するこれらの財産も相続税の課税の対象となります。
なを、外国で日本国外に所在する財産に対して相続税に相当する税金が課されている場合には、外国税額控除が適用できる場合があります。
相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産
次のものは、相続または遺贈によって取得したものとみなされ、相続税が課税されます。
□死亡保険金等
□死亡退職金当
□生命保険契約に関する権利
相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産
被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に関わる贈与によって財産を取得した人が、相続開始前3年以内にその被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産(以下「相続開始前3年以内の贈与財産」といいます。)の価額(相続開始の時の価額ではなく、贈与時の価額)は、相続税の課税価格に加算され、相続税がかかります。
ただし、被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産であっても、特定贈与財産に該当する部分の価格は、相続税の課税価格に加算されません。
この特定贈与財産とは、被相続人の配偶者(贈与の時において被相続人との婚姻期間が20年以上である配偶者に限ります。)が、贈与によって取得した居住用不動産又は金銭で、次に掲げる区分に応じ、それぞれに掲げる部分をいいます。
(イ) その贈与が相続開始の年の前年、前々年又は前々々年にされた場合で、その贈与につき贈与税の配偶者控除の適用を受けているとき
その財産のうち適用を受けた贈与税の配偶者控除額に相当する部分
(ロ) その贈与が相続開始の年にされた場合で、その配偶者が被相続人からの贈与について既に贈与税の配偶者控除の適用を受けている人でないとき
その財産について贈与税の配偶者控除の適用があるものとした場合にその控除額(2,000万円が限度額になります。)に相当する部分としてその人が選択した部分
相続時精算課税適用資産
相続時精算課税適用者が被相続人から取得した相続時精算課税適用財産の価格(相続開始の時の価額でなく、贈与時の価額)は、相続税の課税価格に加算され、相続税がかかります。
なを、相続時精算課税適用者が、相続や遺贈によって財産を取得したものとみなされ、相続税が課税されます。
住宅取得資金の贈与税の非課税の適用を受けた金銭贈与
被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が平成21年1月1日から令和3年12月31日までに間に被相続人から贈与により住宅取得等資金を取得し、その贈与により取得した住宅取得資金のうち直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の適用を受け、贈与税の課税価格に参入しなかった金額については相続税の課税価格に加算されません。
なを、住宅取得資金の贈与が相続開始の年にされた場合で、その贈与により取得した住宅取得等資金のうち直系尊属から住宅取得資金等の贈与がある場合には、別途、贈与税の期限内申告が必要となります。
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税の適用を受けた金銭贈与
被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に被相続人から贈与等により教育資金管理契約に係る信託受益権又は金銭等を取得し、その贈与等により取得した信託受益権又は金銭等のうち直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の適用を受け、贈与税の課税に参入しなかった金額については、相続税の課税価格には加算されません。
注)平成31年度の税制大綱によりますと31年4月1日以降改正が入る予定です。
結婚・子供に資金の一括贈与に係る贈与税の非課税の適用を受けた金銭等贈与
平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に被相続人からの贈与等により結婚・子育て資金管理契約に係る信託受益権又は金銭等を取得し、その贈与等により取得した信託受益権又は金銭等のうち直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の適用を受け、贈与税の課税価格に参入しなかった金額がある場合において、被相続人がその信託受益権又は金銭等をした日から結婚・子育て資金管理契約終了の日までの間に死亡したときに、その死亡の日における結婚・子育て資金管理契約に係る非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額(「管理残額」といいます。)については、被相続人から相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税が課税されます。
なを、信託受益権又は金銭等の贈与が相続開始の年にされた場合で、その贈与等により取得した信託受益権又は金銭等のうち、直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の適用をうけ、贈与税の課税価格に参入しない金額があるときには別途、結婚・子育て資金管理契約を締結する日までに結婚・子育て資金非課税申告書等の提出が必要となりますので、注意が必要です。
注)平成31年度の税制大綱によりますと31年4月1日以降改正が入る予定です。
相続税が課税されない財産について
イ 墓地等・・・墓地、墓碑、仏壇、仏具など
ロ 死亡保険金等の一部・・相続人が受け取った保険金のうち、次の算式で計算した金額
ハ 死亡退職金等の一部・・相続人が支給を受けた退職金等のうち、次の算式で計算した金額
相続財産から控除できる債務、葬式費用のあらまし
イ 控除できる債務
被相続人の債務は、相続財産の価格から控除できます。控除できる債務には、 借入金や未払金のほか、被相続人が納めなければならなかった国税、地方税などで亡くなられた日において納められていなかったものも含まれます。
ロ 控除できる葬式費用
被相続人の葬式に際して相続人が負担した費用は、相続財産の価額から控除できます。
葬式費用とは
①お寺などへの支払い
②葬儀社、タクシー会社などへの支払い
③お通夜に要した費用
などです。
なを、墓地や墓碑などの購入費用、香典返しの費用や法定に要した費用などは、葬式費用に含まれません。