事業承継の流れ
- 2019.07.30
- 事業承継・M&A
「事業承継とは」で説明を行った事業承継の選択肢の内、親族が承継する場合について、一般的にも事業承継と言われるかと思いますので、この狭義の意味での「事業承継」流れについて本ページでは説明を行います。
事業承継を行うにあたって、両親が経営している会社だからと流れのままに入社して、流れのままに幹部候補、将来の経営者と期され、流れのままに株式を相続して、経営者になることも少なくないと思われます。
確かに良好で盤石な経営基盤を有していればそれでも良いかも知れません。
しかし、それで問題は発生しないでしょうか。
親族だからと幹部や将来の経営者が確定されているのであれば、一般の従業員のモチベーションは保てるのでしょうか。
良好で盤石な経営基盤は未来永劫続くのでしょうか。
そこに疑問を持つ経営者、後継候補者であるならば、後継候補者こそが主体的な姿勢で事業承継の問題に取り組む必要があると思われます。
事業承継とは株式の売買を除けば本質的にはM&Aと同じと考えます。
そのように考えれば、前述した主体的な姿勢で事業承継の問題に取り組むと言う意味が分かるかと思います。
事業承継とM&Aと同義に考えれば
1.実施した後の経営の舵取りを出来る能力を身に着ける事
2.実施する確固たる意志を固める事
3.会社の現状を充分に把握して、自社の強み・弱みを理解した上で将来のビジョンを構築する事
4.現経営者、従業員、取引先等から後継者として相応しい人物であることを納得してもらう事
5.株式の承継方法を検討し、経済的合理性を踏まえた方法を確立する事
6.実際に経営者として代表に就任する事
7.新経営者として将来のビジョンを従業員、取引先等に示し理解を得る事
8.将来のビジョンに沿った事業計画を構築する事
9.事業計画に沿って実行し、結果を出していく事
この様な流れが、後継候補者にとっては必要になってくると考えられます。
実際に6に記載した経営権の委譲するまでには、M&Aも同様ですが、相応の時間が必要になります。
現経営者が一朝一夕に現体制を構築したわけではない様に、新経営者にも多くの時間をかけて承継を行う事によって、現状に留まらない企業の発展が望めると考えられます。