土地・建物の相続税評価額の計算方法

土地・建物の相続税評価額の計算方法

土地の評価方法

相続財産の多くは、土地・家屋等の不動産が占めます。

しかし、一般の方が土地の評価額を自ら算出することは困難が伴います。

ここでは、相続時の不動産の評価方法を簡単にご紹介いたします。

土地の評価額は、俗に「一物四価」と言われ下図の通り、「実勢価格」、「公示地価」、「路線価」、「固定資産税評価額」が存在します。

相続税、贈与税の計算上は、「路線価による評価額」及び「固定資産税評価額」を使った「倍率方式」による評価額を用います。

種類 金額 内容
公示価格 100% 国土交通省が発表するその年の1月1日時点における
全国の標準地の価格。土地取引の指標となります。
路線価 80% 国税庁が発表するその年の1月1日時点における価格。
相続税、贈与税計算の際の評価額に用いられます。
固定資産税評価額 70% 市区町村が算定する3年毎の1月1日時点における価格。
固定資産税、不動産取得税等の算定に利用されます。
実勢価格 時価 実際の取引価格

路線価による評価方法

所有する土地が面した道路に振られている、その土地の1㎡当たりの価格(路線価)に、地積を乗じて土地の評価額を算出します。

例えば、150㎡の自宅敷地の前面道路の路線価が50万円【 路線価表では千円単位で500cと記載されています。 】であった場合の評価額は、50万円×150㎡= 7,500万円 となります。ただし、路線価は整形地で間口が充分に取れている等の優良な土地を想定しています。

従って、実際の土地の評価に当たっては路線価による評価額を基礎とし、各々の地形、接道状況、用途地域、周辺環境、利用状況等を加味して行う必要があります。

路線価図は国税庁のHPに公表されておりますので、ご自宅の路線価がいくらなのか誰でも確認することが出来ます。
http://www.rosenka.nta.go.jp/

倍率方式による評価方法

路線価が振られていない地域においては、「固定資産税評価額」にその地域ごとの倍率を乗じて土地の評価額を算定します。

「固定資産税評価額」は毎年市区町村より送られてくる「固定資産税の課税明細書」に記載されています。

評価倍率表は路線価図と同様に、国税庁のHPに公表されています。
http://www.rosenka.nta.go.jp

自宅の敷地は評価が下がる? ~小規模宅地の評価減特例~

自宅の敷地として使用されている土地は、その土地を配偶者や同居の子供が相続した場合等には、評価額が80%減になります。

「小規模宅地の特例」が適用できるか否かによって相続税額が大幅に変わります。

他人に貸している場合は? ~貸宅地の評価~

他人へ貸している土地は、利用に制限が加えられていることから評価額が下がります。

具体的には、上記の評価額から借地権の価額を控除して計算します。

借地権価額は路線価図により求めることができます。

路線価図には、借地権割合が90%から30%の間で定められており、路線価の横に「B」や「C」の記号が付されています。

例えば、「C」であれば借地権割合は60%です。

したがって、評価額は 「路線価評価額」×(100% - 60%)となり、4割評価となります。

建物の評価方法

建物の評価方法は、「固定資産税評価額」によります。

従って、毎年市区町村より送られてくる「固定資産税の課税明細書」がそのまま相続税の評価額になります。

また、建物を他人へ貸している場合には評価額は3割減の7割評価となります。

マンションの評価方法

マンションの評価方法は、上記「土地の評価方法」及び「建物の評価方法」により算出された評価額に持分割合を乗じて計算します。

契約書や登記簿謄本に持分割合が記載されています。